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 胡適校敦煌唐写本神会和尚遺集
一巻

 民国19年(1930)、亜東図書館刊。民国13年、胡適がロンドンおよびパリの敦煌本を調査し、ペリオ本のうちより新たに発見した神会関係の資料三種を校訂し、従来知られていたものを合せて一巻としたもの。特に巻首に長編の「荷沢大師神会伝」を添え、これまでほとんど忘れ去られていた荷沢神会の初期禅宗史上における地位を確認する。

 また、胡適が用いた資料は、ほとんどすべてが残巻で首尾を欠く。胡適はそれらの内容によって神会の語録と断じ、詳細な目次を加えるとともにそれぞれに跋を加えてその理由を明らかにする。今、原資料を列記すれば、次のごとくである。

  • 神会語録第一残巻(ペリオ3047前半) 前後五十の問答より成り、開元(713−41)初年に神会が南陽開元寺に住してより、同20年に滑台で北宗批判を行なうころまで、道俗の修行者と交した問答の記録。王趙公、蘇晋、張燕公、王維らの名が見える。
  • 神会語録第二残巻(ペリオ3047後半)
  • 菩提達摩南宗定是非論并序 独孤沛撰 神会が開元18・19・20年にわたって、北宗崇遠と交えた宗論の記録。
  • 神会語録第三残巻(ペリオ3488) 首尾を欠く断片ながら、内容的に右の第二残巻の後半につづくもの。
  • 巻四、頓悟無生般若頌残巻(スタイン468) 『伝灯録』三十に収める「荷沢大師顕宗記」の後半に相当する断片。
  • 付録・荷沢神会大師語『伝灯録』二十八に収める「洛京荷沢神会大師示衆」の採録。
なお、上のすべてを仏訳したものに左記あり。
  • Entretiens du Maitre de Dhyâna Chen-houei du Ho-tsö(668-760) par Jacques Gernet. Publications de L'Ecole Française d'Extrême-Orient Vol. 31. Hanoi. 1949.
(禅籍解題 29)  



 Last Update: 2002/11/01