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 大乗無生方便門だいじょうむしょうほうべんもん大乗五方便北宗だいじょうごほうべんほくしゅう
各一巻
  • 生24
  • スタイン735(「鈴木大拙全集」三)、2503(正蔵85)、7961
  • ペリオ2058(『禅宗史研究』北宗残簡)2270、2836
北宗系の禅宗綱要書の一つで、特に授戒作法を説く。二種の名があり、内容もかなり異なるが、同じ思想の発展過程を示すものとみてよい。古来、圭峰宗密の『円覚経大疏鈔』三之下に、神秀を祖とする北宗禅の大意を述べ、「払塵看浄、方便通経」の根拠を、『起信論』『維摩経』『法華経』『思益経』『華厳経』という五種大乗経論に求め、仏体、智慧、不思議法、正性、無異の五門を明かす説のあることを伝えたが、敦煌本の発見によってその全貌を知るに至ったもの。最初の紹介は矢吹慶輝であり(『シュタイン氏蒐集敦煌地方出古写仏典ロートグラフ解説目録』)、首欠断片のうえに、「大正大蔵経」85巻の校訂はかなり不備であるが、ついで久野芳隆の「流動性に富む唐代の禅宗典籍――燉煌出土本に於ける南禅北宗の代表的作品――」(「宗教研究」新14-1、「大正大学学報」3-31)により、宇井伯寿の校訂が発表された(『禅宗史研究』)。また、鈴木大拙の校訂本が『禅思想史研究第三』(全集三)に収められている。 (禅籍解題 45)



 Last Update: 2002/11/01