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 楞伽師資記りょうがしじき
一巻 正蔵85
  • ペリオ3294、3537、3437、3703、4564
  • スタイン2054(『鳴沙余韻』75、76)、4272
太行山浄覚の撰。開元4年(716)頃に成る。『楞伽経』の伝統を主とする初期禅宗史書の一つ。求那跋陀羅より神秀の弟子たちに至る八代の禅祖の列伝。東山弘忍に嗣いだ玄頤の『楞伽人法志』を承け、その一部を引く。
この資料は、胡適が民国15年(1926)に発見し、金九経がこれを『校刊唐写本楞伽師資記』(民国20年、北平待曙堂)に収めたもの、のちにこれが『薑園叢書』の一冊となる。
一方、日本でも金九経の校訂本によって鈴木大拙の「楞伽師資記とその内容概観」(「大谷学報」12-3)が発表され、また、『鳴沙余韻』の図版と右の本によって正蔵のテキストが校訂されるが、当時なおこの書は首部数紙を欠く断欠本であった。
以後、四十年を経て柳田聖山『初期の禅史1』(「禅の語録」2)に至り、首尾を具してほぼその原型に復するが、あたかも同時に、上山大峻によってチベット訳が発見され、やがて八世紀の末葉に、チベット王の勅により首都ラサで行なわれる中国禅師摩訶衍とインド僧カマラシーラとの宗論に至る、初期チベット仏教の展開を視野に入れた本書の新しい検討が始められている。 (禅籍解題 48)
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 Last Update: 2003/02/21