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 金剛三昧経こんごうざいまいきょう
一巻 正蔵9
古来、一味真実無相無生決定実際本覚利行を説くものとして法華部に入れ、特に「入実際品第五」の理入と行入の説は、菩提達摩の「二入四行論」の根拠とされてきたが、水野弘元の「菩提達摩の二入四行説と金剛三昧経」(『印仏研究』六、昭和30年)によって、唐代初期の偽経であろうとされる。古来の「経録」に北涼失訳とするのと、本経の内容をなす九識説や、般若呪が時代的に新しすぎるからであり、新羅の元暁が『金剛三昧経論』一巻を作るまで、この経について言及した人はない。初期禅宗と本経との交渉は、新出の敦煌資料によっても裏づけることができ、特に古いチベット訳の存することも注目されはじめている。 (禅籍解題 77)
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 Last Update: 2003/02/21