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 大蔵一覧だいぞういちらん
十巻(別に目録一巻)
「大蔵一覧集」ともいう。宋代、寧徳の大隠居士陳実の編。大蔵経の要文千百八十一則を抽出して六十門に分類し、項目ごとに頌をつけて見出し語とし、福州東漸寺版による千字文の経巻番号を付して検出に備えた類書。巻首に紹興丁丑(1157)に書かれた安定郡王令衿の序がある。編者陳実の伝は明らかでないが、令衿は宋の王室の一族で、円悟克勤に学んで超然居士と号した人。本書もまた経律論の書のほかに、多数の禅籍を引用していて、それらのうちにはまだ入蔵していないものもある。本書は、早くも鎌倉時代の始めに栄西が将来し、その『興禅護国論』の製作に利用している。五山版のほか、寛永の木活字本数種がある。中国では、『明史芸文志』に著録されて以後、誤って明代の書とされ、『四庫全書総目提要』百四十五の説もまた誤る。 (禅籍解題 234)


 Last Update: 2002/11/01