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 中峰和尚広録ちゅうほうおしょうこうろく
三十巻 縮蔵騰九、「大日本校訂蔵経」31-6・7
  • 天目中峰和尚広録(明版南北蔵の丁俊乂三帙)
元の代表的禅僧、中峰明本(1263-1323)の語録。示衆、小参、拈頌、法語、書問、仏事、偈賛、題跋のほか、「山房夜話」「信心銘闢義解」「幻住家訓」「擬寒山詩」「東語西話」その他の著作、および記箴序文、偈頌等、一代の作品を収める。大普慶寺の善達密的理が、元統二年(1334)に上宣して入蔵を乞う表があり、ついで勅許によって杭州路南山大普寧寺に下して入蔵刊行せしめる翌年の箚と、掲傒斯が勅を奉じて撰した序があり、第三十巻の末に行録、塔銘、道行碑その他を付す。善達密的理は、明本の法を嗣いだ高昌出身の弟子で、訳名慈寂、別に照堂と号した人で、各巻のはじめに参学門人北庭臣僧慈寂上進とある。今日、大東急記念文庫に蔵する五山版は、板心にすべて韓の千字文番号を有し、それが『杭州路餘杭県白雲宗南山大普寧寺大蔵経目録』の最後の番号に接続するところを見ると、明らかに元の入蔵時の版の覆刻であることがわかる。本録は、入蔵ののちも、洪武二十年(1387)に重刻されたものや、その一部を単行したものがあったらしく、それらを覆刻した五山版が他に数種存するのは、明代に入元受法した日本僧の将来による点が多く、語録の将来が早期に属することを示す。 (禅籍解題 242)


 Last Update: 2002/11/01