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禅宗史研究室

達摩碑文およびその関連資料について (沖本 克己)




 〔資料3〕 二祖塔記 (舎利石函題記)

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 緒方香州氏の齎した拓本である。6枚の石材からなる慧可の舎利石函である。大きさは、底面が約35センチと63センチ、高さが約26センチ、それに台形の石蓋が載せられ、上平面の広さは26センチと42センチである。

 蓋にあたる上面には「大宋重建 二祖禪師 霊感塔記」と題記があり、下部にはやや小文字で「大宋磁州宜陽縣二祖店」と地名が記され、以下に寄進者等の名が書かれている。

 元はこの中に舎利を納めた銀製のシナに伝統的な棺桶を象った舎利壷が入っていたと言われる。慧可の伝説に、この慧可の舎利壷は河に浮かんで逆流したと言う話が残っており、それを象徴するように、元は石函に納めて窟内に鎖で宙吊にしてあったという。

 今見る石棺の側面にも逆巻く河の流れと彩雲と、そして天女像や神像が彫られているからそのことを示しているのであろう。また底面には二人の僧侶の画像が描かれているが途中で切れている。他の石材を再利用したものであろう。底板のまん中には穴があけられている。

 石函は慧可の碑ともども1966年に破壊され、舎利壷は行方不明のままである。




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 Last Update: 2003/08/07