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禅宗史研究室

達摩碑文およびその関連資料について (沖本 克己)




 〔資料5〕 菩提達摩圓覺大師碑 (空相寺)

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 熊耳山にありながらこれまで知られていない、所謂梁武帝撰の達摩碑文である。碑面は荒れていて判読が困難であるが、本文は「菩提達摩大師頌并序碑」と全同といってよい。

 本碑は上部に「菩提達摩圓覺大師碑」とあることからかく称する。この達摩の勅謚号である圓覺大師・空観塔号は『宝林伝』巻八に、

唐大暦年中代宗睿聖大文孝皇帝謚號圓覺禪師 勅空觀之塔

 とあり、唐の代宗(763-779在位)によるとされるが、これも柳田先生のご指摘のように問題無しとしない。
 後書きの部分を読み下しておくと、

右、達摩大師碑は相傳して謂う、梁武帝の撰なりと。奈何せん、年を歴ること既に久しく風雨摧圮して字は皆な湮沒して觀る者之を恨めり。適たま寺の住持、願聞偕僧正妙徳は其の事を以って具さに郡侯齊公に白せり。公、政務の繁を以って暇なきに、七里逓運所大使楊璔を伴い之を視る。璔、指さす所、皆な碑石を置き、是に於いて其の文を重刻し以って永久を圖る。始終賛成する者は則ち陰陽典術趙錫の若き焉。峕に大明景泰五年歳次、甲戌秋八月吉旦立石せり。

とあり、建立は大明景泰五年(1454)である。それ以前からあったという碑が何時建てられたものかは勿論わからない。

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 Last Update: 2003/08/07