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五山文学研究室

五山文学全集 収録語録解題及び著者略伝





 『東歸集』(天岸慧廣)
一巻 『五山文学全集 第一巻』所収

佛光派。天岸慧廣(1273〜1335)。佛乘禪師。
那須雲岩寺の高峯顯日に嗣ぐ。武藏比企郡の人。俗姓は伴氏。文永十年(1273)生。

無学祖元に参じ僧童となる。元應二年(元延祐七年‐1320)入元。中峯明本・古林清茂・霊石如芝・清拙正澄等に参ず。明極楚俊の来朝を促し、元の天暦二年(日本元徳元年‐1329)五月に帰朝。来朝の明極楚俊・竺仙梵僊・懶牛希融、帰朝の雪村友梅・物外可什等が同船。

伊豆の香山寺・鎌倉淨妙寺・功臣山建忠報國寺に住す。建武二年(1335)三月八日示寂。本集は元で作られた偈頌と帰朝後の作を収める。

『東歸集』は、自筆本一冊一軸(重文)が神奈川県報國寺に蔵され、その影写本一冊と京都相國寺蔵本写一冊が東京大学史料編纂所にある。他に元禄十六年(1703)刊本(京都林重兵衛)が、国立国会図書館・京都大学谷村文庫・県立長崎図書館・成簣堂文庫・旧積翠文庫等に蔵される。

『五山文學全集』には、元禄癸未(十六年‐1703)の大徳比丘宗章の跋があり、元禄16年(1703)刊本を底本にしたと思われる。


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 Last Update: 2003/03/28