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五山文学研究室

五山文学全集 収録語録解題及び著者略伝





 『丱餘集』 (愚中周及)
三巻 『五山文学全集 第三巻』所収

愚中派。愚中周及(1323〜1409)。佛徳大通禪師。
即休契了に嗣ぐ。道号は初め愚庵、後に愚中と改める。美濃土岐の人。

元亨三年(1323)生。夢窓の門に入り、春屋妙葩の教習を受ける。建仁寺の高山慈照に参ず。天龍寺船派遣(元至正元年‐1341)に便乗して入元。曹源寺の月江正印・金山の即休契了に参ず。

至正十一年(日本觀應二年‐1351)に帰朝。丹波の金山天寧寺・龍門庵(禪頭寺)・安藝の佛通寺に住す。佛通寺開山となる。應永十六年(1409)八月二十五日示寂。『宗鏡録』の注記に『稟明鈔』がある。門人一笑禪慶が撰した『佛徳大通禪師年譜』がある。

『丱餘集』は、写本が内閣文庫(3冊)・東京大学史料編纂所(天龍寺蔵本写、1冊)・旧積翠文庫(室町初期写、嘉吉元識アリ、1冊)に蔵される。

『五山文學全集』は、上村觀光「丱餘集解題」によると、天龍寺蔵本(永享13年[1441]刊本)を底本とするという。

尚、『丱餘集』『艸餘集』『佛徳大通禪師語録』の三書の関係については、不明であるが、玉村竹二『五山禪僧傳記集成』愚中周及の条には、『艸餘集』の名はなく、『佛徳大通禪師語録』(『丱餘集』)とする。

よって『新纂禪籍解題』『國書總目録』の『艸餘集』の条については、『丱餘集』と同じものと考えた。また『五山文學全集』は「愚仲周及」とするが、玉村『五山禪僧傳記集成』により「愚中周及」に統一した。


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 Last Update: 2003/03/28