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五山文学研究室

五山文学全集 収録語録解題及び著者略伝





 『竹居清事』 『竹居西游集』 『投贈和答等諸詩小序』 (翺之惠鳳)
各一巻 『五山文学全集 第三巻』所収

聖一派。翺之惠鳳(?〜1465頃)
岐陽方秀に嗣ぐ。別に竹居・幻庵・木裰道人・借庵・紅蕉・古筠と称す。丹陽(丹波か丹後)の人。

東福寺の岐陽方秀に参じ、諸書の講義を受く。南禪寺の希世靈彦から詩文経学を教わる。永享四年(明宣徳七年‐1432)遣明使龍室道淵の一行と共に入明。張楷・趙文端等と交友を結ぶ。

おそらく永享六年(明宣徳九年‐1434)に龍室道淵等とともに帰朝。その後周防に下向し大内氏の寵を得る。官寺への出住を望まなかった。
その詩文集を『竹居清事』といい、周防在住中の作を『竹居西遊集』という。その他、古人の贈答応酬の詩の名作序文を集めて後輩作文の範とした『投贈和答等諸詩小序』の選がある。

『竹居清事』は、写本が、国立国会図書館鶚軒文庫(慶長20年[1615]写、竹居西游集と合)・内閣文庫(同上)(明治写、竹居西游集と合)・慶応大学・名古屋市蓬左文庫(江戸初期写)・彰考館(寛政4年[1792]写、竹居西游集と合)(戦火で焼失か)・陽明文庫(寛政4年[1792]写、竹居西游集と合)に蔵される。他に、『續群書類從』12輯上に所収。

『竹居西游集』は、『竹居清事』と合冊のものしか存在しないようである。

『投贈和答等諸詩小序』は、写本が旧積翠文庫にある。

他に『翺之鳳禪師文章』5巻2冊があり、東福寺靈雲院蔵本写が東京大学史料編纂所にある。

『五山文學全集』は、上村觀光「竹居清事・竹居西游集解題」によると、文化の初年(1804)、僧の慧周が二集を合せて分類した東福寺蔵の分類本を底本とし、文龜3年(1503)の奥書のある謄写本により校訂したという。


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 Last Update: 2003/03/28