白隠禅画墨蹟
 

3月23日 二玄社より刊行

刊行の辞

 白隠は江戸中期に出現した、とてつもない一大現象である。その余波は現代にまで及び、海外にまで影響を与えている。
 本図録はその不思議な現象が書画に現れたものの集大成である。
 白隠がこれほどまでにおびただしい書画をものしたのは、この人がつねに形を超えたものをどう表現するかに意欲を注いだからである。白隠が描き表そうとしたものは心であり法(ダルマ) の端的である。『易経』に「形よりして上なる者これを道と謂い、形よりして下なる者これを器と謂う」とあるが、「道」をどのように「器」に容れるかの絶えざる試みであった。時代を先取りしたような、数々の新奇な表現方法が随所に見えるのもそのためであろう。絵を描く禅僧は少なくないが、このような表現は白隠以外には、比倫するものがないのである。
 白隠の禅画は基本的に画賛である。つまり、絵と言葉がセットになっているのであり、この賛文の解釈が十分になされねばならない。画と賛とをあわせて理解することによって、「形よりして上なる者」が三百年の時間を超えて、現代のわれわれの中で生き生きと甦るのであろう。
 ここには白隠という人の法身がまる出しになっているのである。

花園大学国際禅学研究所教授 芳澤勝弘

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