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 曹渓大師別伝そうけいだいしべつでん
一巻 続蔵2乙-19
六祖慧能の伝記を中心に、曹渓山宝林寺の由来を説いたもの。建中二年(781)頃の編集。貞元十九年(803)の写本をわが伝教大師が将来し、以来叡山に伝承せられたが、いつか民間に流出したのを宝暦十二年(1762)に祖芳が上梓するに及んで一般に知られた。『伝教大師将来越州録』に、「曹渓大師伝」とあり、別伝の称は祖芳刊行以来のもの。また、原写本は近世にふたたび叡山の有に帰し、内藤湖南の「唐鈔曹渓大師伝」(昭和三年)や松本文三郎の「曹渓大師別伝について」(昭和五年)、胡適の「跋曹渓大師別伝」(民国十九年)などの発表を経て国宝となり、昭和十一年に古径荘で覆製本を出している。内容は、慧能の滅後、韶州の曹渓に在って祖塔を守っていた弟子行瑫、および恵象、韋利等の行状、六祖滅後の異聞、高宗以後の歴代帝王の尊崇事蹟や下賜勅書などについての集録で、『六祖壇経』や初期禅宗史伝の説を補うに足る。 (禅籍解題 91)


 Last Update: 2002/11/01