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 玄沙語録げんしゃごろく
二種 続蔵2-31
  • 玄沙広録 三巻(元禄庚午重刊)
  • 玄沙大師語録 三巻(閩中得山居士林弘衍編次)
雪峰義存に嗣ぎ、その三世に法眼宗を出す玄沙師備(835-908)の語を集めたもの。「福州玄沙宗一禅師語録」ともいう。
前者は、下野の水代太平山中寺に伝えられた元版を元禄三年(1690)に重刻したもので、はじめに東皐心越(1639-96)の「新刻玄沙録序」があり、末尾に径山独庵玄光の「日本鋟唐福州玄沙宗一大師広録後序」があって、日本における重開の事情を語る。底本となったのは、宋の元豊三年(1080)に高郵の孫覚が序を付した本であり、上巻の題下に「光化三年歳次庚申参学小師智厳集」とあり、中巻の末尾には泰定乙丑(1325)重刻の刊記あり、下巻の末には将仕郎試秘書省校書林mojikyo_font_018617撰の「唐福州安国禅院先開山宗一大師碑文」を付している。
第二の本は、右とはおそらく無関係に新たに編せられたもので、はじめに天啓丙寅(1626)撰の湛然円澄の序あり、上巻は玄沙の略伝と上堂、中下巻は玄沙の機縁に対する諸禅師の拈頌を集めている。
両本とも、古版も別本もないようであり、玄沙の語録としては唯一の基本資料である。特に前者に序を付している孫覚は、『雪峰語録』にも序を加えている。雪峰と玄沙の語は、宋代に共に行なわれたらしい。また、後者は同じ編者によって、『雪峰語録』と同時に編せられている。 (禅籍解題 126)
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 Last Update: 2003/02/21