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『続高僧伝』興聖寺本について:解説 (沖本 克己) |
■はじめに
![]() 本研究所研究員である緒方香州氏が堀川興聖寺所蔵の一切経のうち、『梁高僧傳』および『續高僧傳』が特異な性格を持つ異本であることに気づいたのは、かれこれ三十年以前になる。 氏は別掲の詳細な対照表を作成して、1979年の日本印度学仏教学会で本写本の紹介をした(残念ながら論文は発表されていない)。 我々はその全体像が明らかになることを待望していたが、氏の慎重な性格やその他の事情により現在まで公開されることはなかった。僅かに関西大学の藤善真澄氏が写本を閲覧し、玄奘伝に関する興味ある論攷を公にされた(1)。 藤善氏は、詳細な調査の結果、この興聖寺本は貞観十九年(645)に成立した『続高僧伝』初稿本とは別な形で上梓されたもので、その成立はおそらく貞観二十三年(649)のことであろうと結論づけられた(2)。 全容に関する概観は緒方氏による「基礎資料対照表」をもってかえ、ここでは今回取りあげる「習禅編」の写真を掲載することにする。もっとも異動の激しい部分の一つである「玄奘伝」の写本については本研究所において別に論じられることになっているのでそちらに譲る。なお写本全文の掲載は都合によりここでは行なわない。 |
【注】 |
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