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『続高僧伝』興聖寺本について:解説 (沖本 克己) |
■おわりに
![]() 以上、瑣末に渉る議論を重ねたが、『續高僧傳』興聖寺本とは、『續高僧傳』初稿本の完成した645年から649年にかけて増補された新しい『續高僧傳』であり、そこには当時の目まぐるしく変化する仏教界の潮流の変化が活写されており、それをさらに詳細に分析することによって、その動きの一端を知り得る好個の資糧である、ということが出来るのである。 そして、ことを「習禅編」に限って言うなら、達摩や慧可の顕彰も、『楞伽經』の宣揚の事実も全て、この四年の間に起こった変化の投影である、ということができるであろうし、増補された禅僧達の位相を確かめることによって、それらの持つ思想史的な意義が知り得るであろう。 多くを語り得なかったが、今後の幅広い立場からの禅宗史の見直しが進められることを願ってひとまず紹介の文とする。 |
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