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 善慧大士語録ぜんねだいしごろく
四巻 続蔵2-25
梁の傅翕(497-569)の伝記とその言葉、偈頌を集めたもの。唐の楼頴の編。菩薩戒弟子東海徐陵が武帝の勅で撰した碑文と、唐の元稹が選した『還珠留書記』を付す。
宋の紹興13年(1143)に、婺州宝林寺の住持定光大師の依頼で資政殿学士左朝奉大夫知紹興軍府事充両浙東路安撫使の楼炤が再編し刊行した。最後の巻四に、智者大師、嵩頭陀法師以下四人の伝を収めるのは、おそらく、このときの増補であろう。
善慧大士は傅翕がみずから双林樹下当来解説善慧大士と名乗ったのにより、大士は菩薩の意である。その伝記はすこぶる神異に富み、偈頌作品は、「四相詩」「心王路」をはじめ、「独自詩」「行路難」など唐代に流行する歌曲の体が多く、おそらくは仮託であろうが、『楞伽師資記』の神秀の章には、すでに「空手にして鋤頭を把り、歩行して水牛に騎る」の一句が引かれ、湛然の『止観義例』にも「独自詩」の一部が引かれる。
別に『梁朝傅大士頌金剛般若経』が現われるのもこの頃で、さらに宋代に入ると、『宗鏡録』『伝灯録』で、禅の散聖と見られている。楼炤による本書の再編は、そうした傾向を承けるものである。 (禅籍解題 78)
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 Last Update: 2003/02/21