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 伝法正宗記でんぽうしょうしゅうき
九巻 正蔵51
雲門下五世、仏日契嵩(1007-72)の著。嘉祐六年(1061)に成り、翌年に仁宗に上進して入蔵を勅許された禅宗史伝の書の一つ。『景徳伝灯録』『天聖広灯録』の説を承けて、過去七仏より西天二十八祖を経て、東土六祖に至る禅宗の伝灯相承説を論定し、『出三蔵記集』『宝林伝』『続法記』などを根拠として、『付法蔵因縁伝』『続高僧伝』および『宋高僧伝』などの説を破し、教家の禅宗非難に答えたもの。六祖慧能以後の分派については、その法系ごとに祖師の名を列ねるにとどめているが、別に「旁出略伝」および「宗証略伝」を作って、前記の資料に関する解説と価値批判を加えている。なお、契嵩は本書以外にも、同じ趣旨によって『伝法正宗定祖図』一巻、『伝法正宗論』二巻を撰し、また『輔教編』三巻を上進して禅の立場より三教一致の主旨を論じている。また、『伝法正宗定祖図』は、挿図を伴っていたようで、「大正大蔵経」図像部十に鎌倉時代の古写本を伝える。 (禅籍解題 151)


 Last Update: 2002/11/01