花園大学国際禅学研究所
 
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坂口尚と一休展

坂口尚と一休展
『あっかんべェ一休』第11話「暗雲」(その三)(1994年)〈前期展示〉

〈展示概要〉
 漫画家・アニメーターとして、稀有な才能を発揮した坂口尚(1946-1995)。2025年12月に没後30年を迎えますが、その繊細で詩情豊かな描写と哲学的、深遠なテーマが融合した作品群は、時代や国境、ジャンルの垣根を超えて今も多くの読者を魅了し続けています。近年では国内での復刊が相次ぎ、2023年にはフランスのアングレーム国際漫画祭で『石の花』が「遺産賞」を受賞するなど、海外での評価も高まっています。本展では、絶筆となった『あっかんべェ一休』をひとつの到達点と捉え、「長編三部作」を通じて坂口尚は何を描こうとしたのか、“一休と禅”というテーマが現代の我々に何を伝えるのか、創作ノート等の多数の資料と共に考察します。

〈「禅と日本マンガ文化」の導き手としての一休―その普遍性〉
 一休は、混迷極める室町時代に生きた禅僧で、後小松天皇の落とし胤(正統の皇子にならぬ子息)でした。その漢詩文集『狂雲集』『自戒集』では、権威にあぐらをかく禅僧や堕落した既成権力へ猛烈な批判を展開し、晩年には盲目の芸能者・森女とのエロスを高らかに表現するなど、まさに型破りな「風狂」の姿でも知られます。一方、徳川期以降に説話集でとんち坊主としてのイメージが広まってもいきました。戦後日本になると、その批判精神に注目が集まり、戦時日本への反省を求めていた知識人たちが多く論じました。このように、時代の変化に応じて、一休の像は虚と実が入り交じりながら語られ続けました。生真面目、破天荒、批判精神、原点回帰、「民」との接点、尊皇的、などなど、一休の姿は多岐にわたります。その像は掴みがたくもありますが、さまざまに描かれたからこそ、多くのメディアが描きだそうとする問題意識を伝える存在ともなりました。この展覧会では、坂口尚の諸作品を読み解きつつ、坂口が見つめた世界とその諸問題は何だったのか、そして一休の姿に何を託して描いたのか、その一端を感じて頂ければ幸いです。
(監修・飯島孝良)

■ 会 期 2025年10月25日(土)~2026年2月8日(日)
[開館]
月・金14:00-20:00/土・日・祝12:00-18:00
[休館]
火・水・木(祝日は開館)、11/1、12/25~1/8、1/17
■ 会 場 明治大学 米沢嘉博記念図書館・現代マンガ図書館1階
〒101-8301 東京都千代田区神田猿楽町1-7-1
■ 主 催 明治大学 米沢嘉博記念図書館
■ 監 修 飯島孝良(花園大学国際禅学研究所副所長)
横山ひろあき(坂口尚作品保存会午后の風スタッフ)
■ 協 力 鈴木賢三
ディディエ・ダヴァン
酬恩庵一休寺
花園大学国際禅学研究所
坂口尚作品保存会午后の風
マンガ作品保存会MOM
■ 入場無料
■ お問い合わせ 明治大学 米沢嘉博記念図書館・現代マンガ図書館
東京都千代田区神田猿楽町1-7-1
TEL 03-3296-4554


展覧会リーフレット

米沢嘉博記念図書館ホームページ