さし藻草 卷之一 [ 13 / 29 ]

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公卿大夫及び士庶人をさへに、共に
合せ並らべ貯へて、資産總に
盡き、室家あれ傾け共、すべて
顧みず。破瓶は常に人の壽算を
縮め、人の榮衞をうばい、人の身
財を損なひ破る。破瓶は國家
を治むる才なく、破瓶は萬民を
      《一三丁オ》
助け救ふの徳なく、破瓶は逆
賊を防ぐの備へにあらず。破瓶大ひに
人に害有り。破瓶は毫釐も
人に益なしと云つて、暫らく眉を
皺めて坐す。帝、深く其意を
感じ玉ひ、即日、群臣に命じて、
宮女三千、同時に放逐し玉ふと。
      《一三丁ウ》


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