さし藻草 卷之一 [ 19 / 29 ]

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惜、嫉忌、妬害、種々の大惡業を
積み重しめ、果ては叫喚、
燒熱、紅蓮、大紅蓮の大難所に
墮在し、永く舂磨の大苦患
を受けしむ。其初め是何人の所爲
ぞや。其罪誰が身の上へにか集
まらんや。恐れても恐るべきは、六趣
      《一九丁オ》
輪廻の受苦、悲しんでも悲しむ
べきは、三塗八難の厄惱。誰計らん、
今の世の尊貴高位、王候[侯]
貴人、福貴自在の人々の前身は、
盡く是過ぎし世の勇猛精
進、信心堅固の後世者達の再
生し來り玉ふなる事を。前き(の)
      《一九丁ウ》


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