さし藻草 卷之一 [ 25 / 29 ]

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其趣類に隨て、思ひゝゝの障碍
有て具足する事得ず。如何とな
れば、地獄は種ゝゝの苦患に
碍られ、餓鬼は饑渇にさへ
られ、畜生は愚癡にさへられ、
修羅は刀兵の瞋恚に碍へ
られ、天上は飛行遊戲の歡樂に
      《二五丁オ》
碍へらる。故に了縁の二因を欠く。
二因なければ、正因佛性の
大事に本づく事得ず。去る
程に、光音梵輔等の諸天も、
前生多少萬善の福力つ
くる則は、果して下界に生下し
來て、故の凡愚の衆生とむ
      《二五丁ウ》


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