さし藻草 卷之一 [ 26 / 29 ]
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まれ、或ひは直下に衆合等 活等の惡處に墮す。是故に 云ふ、生天の福は箭を仰ひで 虚空を射るが如し。勢力盡く る則は、箭却てをつと。人界は 即ち然らず、若人纔かに菩提 心を起こし、次第に進み進んで 《二六丁オ》 退かざる則ば、いつしか聲聞 縁覺の二階を超過し、圓頓 菩薩の階位に登り、果して 果滿妙覺の十力を成就す。 即ち受け難き人身は、遙かに 天上の善果に勝れる現證 ならずや。蓋し斯く云へばとて、 《二六丁ウ》
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