さし藻草 卷之一 [ 28 / 29 ]

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ども、内心は悲しむべし、牛羊
犬豕の無智昏愚なるに
異なる事無き事お。只今
世間此等の類ぐひ多し。おし
むべし、受け難き人身を受け
ながら、心は全體、畜生道
に在り。寔に憐れむべし。
      《二八丁オ》
六趣の中に有りて、取分け人間
の貴き事は、來生有る事を知り、
地獄有る事を恐れ、菩提を
求るに便り有る故なり。中に
就ひて貧窮下賤の者共は、
苦患の事多き中にすむ。故へに、
教へざれ共自然に無常を觀じ、
      《二八丁ウ》


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