本日2018年12月11日(火)に弊所研究員の小川太龍に博士(文学)の学位が授与されました。
学位請求論文『黄檗希運研究――思想とその祖師像の変遷――』は、中国唐代の禅僧黄檗希運(?-850頃)の思想と人物像の変遷について文献学的に研究したものです。黄檗は、禅宗の実質的祖である馬祖道一(709-788)の法孫で、臨済宗の宗祖である臨済義玄(?-866/867)の師となります。小川の論文では、黄檗が馬祖の思想を独自の観点から継承・発展させ、それが更に臨済によって主体的に受けとめ直されたこと、後代臨済の師という観点から黄檗が想起され、それにともない黄檗のイメージが変遷したことなどが明らかにされました。
学位請求論文は今年5月に提出・受理され、10月の公開試問を歴てその内容が認められ、本日の学位授与に至った次第です。学位記は丹治学長より手渡されました。
|