2023年8月26日・27日の2日間にわたり夏季講座(臨済宗妙心寺派宗務本所花園会本部主催)が開催され、弊所より以下の2名が出講しました。
(1)小川太龍(弊所研究所員、花園大学准教授)
「仏教の誕生と法衣に見る伝播史」 (8月26日13:00~14:30)
仏教の誕生について、地理・歴史・文化の観点から考えるとともに、インド・中国・日本へと仏教が伝わった仏教伝播史が現在の臨済宗僧の法衣に見ることができることをご紹介しました。
(2)飯島孝良(弊所副所長・専任講師)
「〈かたり〉の禅文化史:一休像の虚と実を手がかりに」 (8月26日16:30~18:00)
一休の実像から離れながらもその魅力が数多く語られてきたことを〈かたり〉(語り/騙り)と捉え、その虚と実が綾なしながら世俗に伝わるさまをご紹介しました。
今回は、実際の一休を伝える「朱太刀像」が、室町期の連歌師や徳川期の戯作者によって魅力的に語られ、幕末にはこれに基づく歌舞伎も創作されていったことに着目しました。しかもそこには一休の実像にはないエピソードも加わりつつ、「常識をやぶる」「破天荒だからこそ仏心をおこす」といったメッセージ性が多分に伝えられていったこと、こうしたところに禅文化があらわれていったのではないか、とお話ししました。
末筆ながら、今回お招きいただいた花園会本部の皆さま、ならびにご臨席たまわりました皆さまに、心よりお礼を申し上げます。
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