花園大学国際禅学研究所
    
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AAS(アジア研究協会)
学術大会発表報告

Association for Asian Studies (AAS)は、例年北米(米国・カナダ)の都市で開催される大規模学会です。アジアに関わるあらゆる研究分野のパネルが組まれ、4日間にわたり開催されるパネルの総数は数百に及びます。2025年3月15日(現地時間)、米国オハイオ州にあるグレーター・コロンバス・コンベンション・センターにおける学術大会にて、弊所副所長の飯島孝良がパネル発表を行いました。
 今回、飯島が参加したパネルは” New regards on Japanese Rinzai Zen Buddhism”と題したもので、日本の禅学研究に携わる日米の研究者5名によるものです。最新鋭の研究成果が、和田有希子氏(早稲田大学)、ステファン・リチャ氏(シカゴ大学)、ディディエ・ダヴァン氏(国文学研究資料館)、飯島の四名から提示され、ジャニーン・アンダーソン=サワダ氏(ブラウン大学)の司会進行で進められました。いずれも中世から近現代の日本禅学研究に携わり、英語圏ではじめて紹介される内容ばかりとなりました。

New Regards on Japanese Rinzai Zen Buddhism
(Organized Panel Session)
1. What is “Pure Zen”?
Ukiko Wada, Waseda University
2. Quiddities of Transmitting Mind—Esoteric Buddhism and Zen on Mind Transmission
Stephan Kigensan Licha, University of Chicago
3. Birth and Early Diffusion of Japanese Zen: From a Marginal Practice to Hegemony
Didier Davin, National Institute of Japanese Literature
4. The Record of Linji in Pre-Modern and Modern Times: A History of Its Acceptance in Japan
Takayoshi Iijima, Hanazono University

とくに飯島においては、『臨済録』の読み方が中世から近現代にかけてどのように変容していったか、そして中世日本の禅籍理解が陰に陽に影響し、その結果として20世紀に『臨済録』の英訳事業にまで影響していたことを示しました。そして、飯島をはじめ国際禅学研究所が年来取り組んできた禅籍・漢籍検索データベース「電子達磨#3」のことを紹介し、その効用や存在意義について説明しました。

 8時30分から開始するパネルにもかかわらず多くの方がたが参加され、発表終了後もフロアからひっきりなしに質問が寄せられ、関心の強さが感じられました。本パネル参加者のこれまでの取り組みに多くの興味関心を寄せて頂けたことは、望外の成果であったと感じています。