花園大学国際禅学研究所 2024年度禅宗法式シンポジウム
「禅宗における尼僧」
開催報告
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2025年3月4日(火)、毎年恒例の禅宗法式シンポジウムが開催されました。今年度は「禅宗における尼僧」と題し、これまで研究の少なかったテーマについて改めて光を当てる試みとなりました。会場の花園大学自適館300は、定員の150名でいっぱいとなり、テーマへの関心の高さがうかがわれました。
開会に先立ち、国際禅学研究所と交流を重ねて頂いている曹洞宗綜合研究センターを代表して、所長(開催当時)の志部憲一先生より御挨拶を賜りました。
発表として、まず岡佳子先生(大手前大学史学研究所客員研究員・元教授)からは、「禅宗と近世比丘尼御所の尼僧」と題し、貴族の娘であった出家者が住職を務める尼寺である比丘尼御所について、その運営体制や人員構成などの詳細が紹介されました。
続いて、山田悠光先生(曹洞宗国際部非常勤講師・東京都正覚寺住職)からは、曹洞宗の尼僧とその歴史について御話し頂き、とりわけ近代化が目指された尼僧団の動き、更には愛知専門尼僧堂の諸活動について、詳しく御示し頂きました。
最後に、竹下ルッジェリ・アンナ先生(京都外国語大学外国語学部イタリア語学科教授)からは、江戸時代の臨済宗における尼僧についてご発表頂き、白隠禅師の弟子(お察・政女・原駅の婆・茶店婆・恵昌尼・大橋女・智光尼・大巌祖仙尼)を詳しく御話し頂きました。
閉会に際して、弊所所長の野口善敬から総括の挨拶を申し上げました。
今回のシンポジウムに際しては、従来なかなか禅宗の歴史のなかで言及がみられなかった女性たちの動向に光が当てられたことで、参加者の皆さまから熱烈なリアクションが多くみられました。宋代以降の中国禅において女性たちがどのように活動していたのかなど、焦点を当てるべきテーマも見出されてきました。今後も、禅宗における女性たちに着目した学術イベントを企画していければと念じております。
当日御参加頂いた多くの皆さまに、改めて御礼申し上げます。
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