コーリィ・ベル氏 研究発表の御案内
ラ・トローブ大学中国学センター・リサーチアシスタント、花園大学国際禅学研究所客員研究員のコーリィ・ベル氏による研究発表をおこないます。
■ テーマ |
真「怒」と真「悟」――明清「忠孝」僧の新たな「詩禅」論およびその社会史・思想史的背景
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■ 内容紹介 |
従来の東アジア仏教においてはしばしば、「自然清静」な山水が修行に最適な場所とされてきた。これに鑑みて所謂「詩禅」とは、山水詩中の禅意、すなわち世俗を遠離するとともに、詩中の「清浄」なる外境により作者の「清静」なる本心を表現することにある。
それに対し明清の混乱期になると、「忠孝」僧はこれとは全く異なる修身観を打ち出した。彼らは地獄のような外境を「究竟寂滅の道場地に非ざるは無し」と見なし、更には「熱乱」なる外境が引き起こした「熱乱」の心を表現する抒情詩こそが、弟子の心の「清浄」更には「真悟」をもたらす「真禅」であると主張した。
本発表では明清期の四名の「忠孝」僧をとりあげ、その詩禅論中に見える三要素「真」「怒」「悟」の関連、ならびに当時の叢林に新たに起こった「性情」論との関係を分析する。その際かかる現象が中国仏教の変遷――「超越」から「現実」、「出世」から「入世」への転換――においていかなる位置にあるのかについても考察を加えたい。
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■ 講師紹介 |
コーリィ・ベル/Corey Bell
1973年、オーストラリアのギプスランドに生まれる。2016年博士号取得(メルボルン大学、Doctorate in Asian Studies)。現在ラ・トローブ大学中国学センター・リサーチアシスタント、花園大学国際禅学研究所客員研究員。 |
■ 開催日時 |
2017年1月25日(水)14:40~
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■ 開催場所 |
花園大学国際禅学研究所 |
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終了しました
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