花園大学国際禅学研究所
    
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商海鋒氏 研究発表の御案内

香港教育大学文学及文化学系助理教授、花園大学国際禅学研究所客員研究員の商海鋒氏による研究発表をおこないます。

        
■ 演 題 香による参禅
――黄庭堅と東アジアの宋的文化
■ 内容紹介  北宋期の文人黄庭堅(1045-1105)の「香詩」は従来の唐詩に対し、主題・機能・思想など様々な変化をもたらした。その結果、北宋中後期元祐年間(1086-1094)の詩壇は、唐代とは異なる宋独自のものとなった。
 黄庭堅は「香方」(合香の処方)を熱心に探究・作成するとともにその精神性を高め、北宋後期まで続く香方の流行をもたらす。隋唐仏教では「香塵」という言葉がマイナスのイメージを有していたのに対し、黄庭堅は唐宋期に新たに展開した禅思想を用いて、「香禅」――香を焚くことにより禅に参じる――という宋的な新たな実践法を編み出した。
 黄庭堅の影響は中国のみならず遠く日本にも及んだ。中国ではその影響のもと、宋代の香譜を代表する洪芻(1066-1028?)の『香後譜』が誕生する。また日本では、蘭坡景茝(1417-1501)や万里集九(1428-1507?)など室町時代の五山僧が「山谷抄」など黄庭堅の詩の注釈や講授を行い、それを通じて三条西実隆(1455-1537)など上流階級の知識人にも宋代の香に関する概念が伝わり、更には、日本における香道の成立にも影響を及ぼした。
 このような黄庭堅の香に光をあてることで、東アジア全域に伝播する宋的文化 の一斑が浮かび上がる。
■ 講師紹介 商海鋒

 1978年北京生まれ、南京大学文学院博士。台湾中央研究院中国文哲研究所ポストドクター・広州中山大学中国語言文学系特聘研究員を経て、現在香港教育大学文学及文化学系助理教授。専門は東アジア文学芸術思想史、とくに11-15世紀の東アジアにおける宋的文化の成立・流伝・変遷、および17世紀の中国詩学思想を研究。花園大学国際禅学研究所客員研究員。
■ 開催日時 2017年7月19日(水)10:00~11:30
■ 開催場所 花園大学国際禅学研究所
※事前の申し込み・参加費は不要です。

 



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