「扨(さ)ても貴(とう)とや我が立姿(たちすがた)、釈迦か阿弥陀の再来ぢや」、「耳で見分けて、目で聞かしやれよ、夫(そ)れで聖(ヒジリ)の身なるぞや」、「悟りぶりする面(つら)耻(はず)かしや、元の凡夫(ぼんぶ)がましぢやもの、心一つを悟りて見れば、こうぢやそうぢやの音もなし」などと、白隠らしい面目が著わされたところも随処に見てとれる。