刊年未詳。南伊豆の海岸に阿弥陀窟という洞窟がある。普段は海水に没しているが、大潮の時には洞口があらわれる。その時に、洞内に入れば、闇の中から黄金の光が阿弥陀三尊の姿となって来迎するという。古くから伝わる霊迹の奇瑞を紹介し、如来の真の姿を見届けることが見性に他ならず、見性も来迎往生もその根本においては同じであるとする。