2018年5月28日(月)から31日(木)の四日間、大分県の蔣山(まこもさん)萬壽寺に所蔵されている嘉興蔵の調査を行いました。また29日(火)には閒関窟老大師に相見させていただきました。
嘉興蔵は中国で出版された大蔵経(仏典の一大集成)であり、それをもとに日本でも大蔵経(黄檗版、鉄眼版)が刊行されるなど、日本の仏教にも大きな影響を与えました。
日本には複数セットの嘉興蔵が現存しており、萬壽寺の嘉興蔵もそのひとつです。萬壽寺では経蔵(お経を収蔵する建物)内に設置された輪蔵に保管されています。輪蔵は中国南朝梁の傅大士が発明したと伝えられる回転式書架で、萬壽寺の輪蔵の正面にも傅大士の像が奉安されていました。
経蔵
輪蔵・傅大士像
今回の調査には所長の野口善敬、副所長の柳幹康、兼任研究所員の小川太龍、ならびに研究員の瀧瀬尚純・冨増健太郎、客員研究員の王芳・劉家幸が参加しました。調査の結果は今年度の『花園大学国際禅学研究所論叢』において報告する予定です。
調査風景その1
調査風景その2
調査風景その3
調査風景その4
末筆ながらこの場を借りて、調査をお認めいただくとともに貴重な時間を割いて相見をお許しいただいた老大師、ならびに萬壽寺の皆さまに心よりお礼を申し上げます。