花園大学国際禅学研究所
    
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夏季講座 出講報告


2018年8月24日(金)から26日(日)の三日間にわたり夏季講座(臨済宗妙心寺派宗務本所花園会本部主催)が開催され、弊所より以下の三名が出講しました。


(1)野口善敬(弊所所長、妙心寺派教学部長)
「中国明清時代の禅宗と日本」(8月24日15:00~16:30)


法系に基づき中国禅宗史を概観したうえで、明末の三高僧により仏教の復興がなされたこと、その後禅門において法系が重視されるとともに、宗旨をめぐる論争が起ったこと、その流れを汲む隠元が日本に禅を伝えた際に、言葉の問題からその接化の方法に変化が生じたことなどを紹介しました。


(2)小川太龍(弊所研究所員、花園大学専任講師)
「禅の修行」(8月25日10:50~12:20)


仏教における修行観の変遷について確認したうえで、今日の臨済宗における修行生活について紹介しました。その際に雲水の装束や掛搭時に提出する各種書類、専門道場における一年の流れと摂心時の様子、および今日に受け継がれている白隠禅師の教えなどを、自身の経験を踏まえつつ図や写真を用いて解説しました。


(3)小川隆(弊所顧問、駒澤大学教授)
「禅の語録をよむ」(8月25日13:10~14:40)


禅宗の特徴として(1)「伝灯」の系譜、(2)「清規」、(3)「問答」と「語録」、の三点を挙げた上で、(3)の「問答」についてお話ししました。その際、禅の問答は当初、問題を質問者自身になげかえし、その答えを自ら見つけ出させる仕掛けを内包していたのに対し、後の宋の時代になると「公案」――思路を断ち切り分別・妄想を奪い去る手段――として用いられるようになった様子を紹介しました。


末筆ながら、今回お招きいただいた花園会本部の皆さま、ならびにご臨席たまわりました皆さまに、心よりお礼を申し上げます。




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