現在、臨済宗では毎日唱えられるので、白隠著作の中でもっとも人口に膾炙したものとなっている。すでに口に親しく、耳に聞き慣れているので、白隠禅の真髄のように思われがちだが、そうではない。おそらくは白隠が40歳までに書かれたものと思われる。坐禅の効能を賛歎することは、必ずしも禅師の思想の核心ではない。