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関連論文:瓢鮎図・再考


【第15回】 詩一五 (古篆)周印

玩瓢不慣顔許、窺鮎唯臨深淵。 (瓢を玩ぶも顔許がんきょに慣わず、鮎を窺い、唯だ深淵に臨むのみ)
按著還按不著、尽力這辺那辺。おさるかた按えざるか、力を尽くす這辺しゃへん那辺なへん

詩一五

古篆周印(生没年不詳)、夢窓派、天龍寺に住す。「顔許」は顔回と許由。ともに瓢にちなむ話がある。『蒙求』の「顔回箪瓢」と「許由一瓢」に出る話である。

顔回は一瓢をたずさえ陋巷でどうを楽しんでいた。許由は樹の枝にかけておいた瓢箪が風に吹かれて鳴るのをうるさいと、それさえも捨て去ったという。禅録において、瓢にちなむ修辞でもっともよく用いられる二つの話である。

【訳】顔回と許由のように瓢箪を持っているが、その目的が違う。ねらいは淵にひそむ鮎。
さておさえられるかどうか。力を尽くして、あちこちおさえまわる。

初出『禅文化研究所紀要 第26号』(禅文化研究所、2002年)

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 Last Update: 2004/01/28