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関連論文:瓢鮎図・再考


【第22回】 詩二二 (大周)周奝


詩二二

鮎魚舉體滑無鱗、 (鮎魚は挙体こたい滑らかにして鱗無し)
瓢子捺来如轉輪。瓢子ひょうす、捺え来たれば転輪の如し)
又似童奴頑且孏、 (又た童奴に似て頑にして且つ孏たり)
左逃右避動抽身。 (左に逃れ右に避け、ややもすれば身をぬきんでんとす)


大周周奝(1348~1419)、夢窓派。相国寺、南禅寺住。

孏は「嬾」「懶」に同じ。童奴は童僕。「童奴頑且孏」の語に拠があるかどうか、いま未詳である。


【訳】鮎は鱗がなく体中がヌルヌル、おさえようにも瓢箪は水上でクルクル。
また(鮎は)言うことをきかない童僕のようで、こっちをおさえればあっちへ逃げる。

初出『禅文化研究所紀要 第26号』(禅文化研究所、2002年)

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 Last Update: 2004/03/30