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関連論文:『画賛解釈についての疑問』 |
【第7回】 「弄蹄」
騎驢図 ([57]、163頁、等春筆、江月宗玩賛、根津美術館蔵) 註釈者不明 途中受用、這太遲生。只弄蹄處、叱叱要行。 『禅林画賛』では「弄蹄」の註に「和習の語。意味不明。歩く気のない足運びのことか」というが、「和習の語」ではない。「弄蹄」の語は、次に拠る。 問、如何是佛。師曰、三脚驢子弄蹄行。曰、莫祇這便是麼。師曰、湖南長老(『五燈會元』卷一九、楊岐方會禪師章)。「楊岐三脚驢」といわれるこの一段は、はなはだ有名な話で頻りに引かれるものである。 弄蹄は、馬が恰好よく歩くのに比して、驢馬などが不格好に歩くさまを諧謔的に言ったものである。この賛の作者である江月宗玩の語録『欠伸稿』では「牛」賛にも「一牛猶自牧荒畦、不繋鼻縄宜弄蹄、任意喫佗王国草、向渓東又向渓西」などとある。 初出『禅文化研究所紀要 第25号』(禅文化研究所、2000年)
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