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関連論文:瓢鮎図・再考


【第20回】 詩二〇 (大幢)周千


詩二〇

不按鮎魚上竹竿、 (鮎魚をおさえずんば竹竿に上らん)
胡盧和水転団〃。 (胡盧、水に和して転じて団〃)
何容擺尾飛騰去、 (何ぞゆるさん、尾をふるって飛騰し去ることを)
長要王帯笑看。つねに王公が笑いを帯びて看たまわんことを要す)


 大幢周千(生没年不詳)、夢窓派。南禅寺住。

「胡盧和水」は前出(第5回)の「水上葫蘆子」をふまえた表現である。

「擺尾飛騰」は、『聯灯会要』巻第二十三、洛浦元安章に「臨済門下有一赤梢鯉魚、揺頭擺尾、向南方去」とあるように、鯉魚が尾をふって勢いよく泳ぐさまをいう。あるいは、鯉が龍門の瀧を登って龍と化するところである。

末句「長要王帯笑看」は李白の「清平調詞」に「名花傾国両相歓、長得君王帯笑看(収『三体詩』)とあるのをふまえる。

したがって「王」は「王侯」「王公」「王君」などが考えられるが、退蔵院古謄複本にしたがって「王公」としておく。ここでは李白詩の前の句「名花傾国両相歓(花と美人をふたつながら楽しむ)」をもふまえて「鮎魚葫蘆両相歓(鮎魚と葫蘆とふたつながら相い歓ぶ)」という底意が隠されていよう。


【訳】おさえられなければ、鮎は竹に登ってしまう。(残された)瓢箪は水の上でコロコロ。
しかし、鮎には登らせまい。将軍様に(瓢箪と鮎のふたつながらを)楽しんで御覧いただきたいものです。

初出『禅文化研究所紀要 第26号』(禅文化研究所、2002年)

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 Last Update: 2004/03/09