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 雲門広録うんもんこうろく
三巻 正蔵47、続蔵2-23

 第一は、福州鼓山の円覚宗演の校勘であり、現存最古でもっとも完全な本文。その出版は『臨済録』と同じく、宣和二年(1120)前後であろう。巻首に両浙転運副使公事蘚澥が熙寧丙辰(1076)に撰した序があり、宗演はこのときすでに版となっていたのを重刊したらしいが、大観二年(1108)に成る『祖庭事苑』一に記す本文の誤りは、ほとんどすべて訂されている。ただし、『祖庭事苑』によると、熙寧本は上下の二巻と、「室中録」とよばれる第三巻よりなっていたようで、現在のものと異なる。

 次に、第二の『続開古尊宿語要』本は、嘉熙二年(1238)の刊行、『五家語録』の本は明末の再編、雍正の本はさらにこれを承けたもので、ともに右の宗演本によりつつ、かなりの抄録を加えている。なお、雲門文偃の史伝は、本録に収める雷岳撰の「行録」のほか、同じ雷岳撰の「大漢韶州雲門山光泰禅院故匡真大師実性碑」(『唐文拾遺』四十八)と「大漢韶州雲門山大覚禅寺大慈雲匡聖宏明大師碑銘」(『全唐文』八九三)によるべく、慧洪の『禅林僧宝伝』一は、賛寧の『宋高僧伝』に雲門の伝を欠くことに対する批判の意を含む。 (禅籍解題 125)

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「正蔵版」  
「続蔵版」  


 Last Update: 2003/08/10